「ガンダムって、結局どれから観ればいいんだ?」
「宇宙であんなデカいロボットが剣で斬り合うなんて、いくらなんでも無理があるだろ…」
あんたも一度はそう思ったこと、ないか? 俺もガキの頃はただ「カッケー!」って無邪気に観てたクチだが、歳を食って物理なんてものを少しかじると、ふと我に返る瞬間がある。 無重力で踏ん張りも効かないのに、なんであんなに綺麗にMS(モビルスーツ)は動けるんだ? ビームサーベルって光の剣だろ? なんで鍔迫り合いができるんだ?
大丈夫だ。 その疑問、痛いほどわかる。 だがな、結論から言おう。 ガンダムの宇宙戦は、決してただの荒唐無稽な夢物語じゃない。 あれは「ガンダム世界の物理法則」の上で、驚くほど緻密に計算された「リアル」なんだ。
今日は、長年宇宙世紀の戦場を見届けてきた俺が、あんたが抱えるそのモヤモヤを吹き飛ばしてやる。 この記事を読み終える頃には、もう一度ファーストガンダムの第1話から観返したくてたまらなくなってるはずだ。 最後まで、ゆっくり付き合ってくれよな。
そもそも物理学的に何が「無茶」なのか。
本題に入る前に、まず何がそんなに「科学的にオカシイ」のかをハッキリさせておこう。 一番の問題は、宇宙空間が「無重力」で「真空」だってことだ。
地上なら、剣を振るときに足で大地を踏みしめて体を支えられる。 でも、宇宙にはその「大地」がない。 試しに、あんたがツルッツルの氷の上で思いっきりバットをフルスイングするところを想像してみてくれ。 たぶん、ボールを打つ前にあんた自身がクルッと回転しちまうだろ。
宇宙空間で起きるのは、まさにアレだ。 物理学でいう「作用・反作用の法則」ってやつで、MSがビームサーベルを振り下ろす(作用)と、その反動で機体自身が逆方向に回転しようとする(反作用)力が必ず働く。 これじゃあ、敵を斬るどころか、自分があっちこっちにすっ飛んでいくだけで、まともな戦闘なんて成立するはずがないんだ。
じゃあ、アムロやシャアはどうやってあの華麗な剣戟を繰り広げているのか? その答えこそが、ガンダムがただのロボットアニメではない、深遠なSFたる所以なんだ。
理由1:人型である意味「AMBAC」が全ての鍵を握る
「なんでガンダムって人型なんだ? 効率悪いだろ」
なんて言うヤツは、完全に素人だ。 MSが人型であること、特にあの手足には、宇宙で戦うための極めて重要な意味が隠されている。 それが「AMBAC(アンバック)システム」だ。
正式名称は「Active Mass Balance Auto Control」、日本語にすりゃ「能動的質量移動による自動姿勢制御」とでもなるか。 …まあ、名前はどうでもいい。 要は、手足を動かしたときの反作用を利用して、機体の向きを変える技術のことだ。
もっと分かりやすく言おう。 宇宙飛行士が無重力空間で体の向きを変えたいとき、どうするか知ってるか? 彼らは腕をぐるぐる回したり、体をひねったりするんだ。 そうすると、その反動で体がゆっくりと回転する。 空中で落下する猫が、とっさに体をひねって足から着地するのと同じ理屈だ。
MSは、まさにこれを巨大なスケールでやっている。 サーベルを振り下ろす瞬間に、腕や脚を逆方向に動かしたり、腰をひねったりすることで、斬撃の反動を完璧に相殺しているんだ。 しかも、これをパイロットがいちいち手動でやってるわけじゃない。
高度なコンピューターが自動で制御している。
このAMBACがあるおかげで、MSは推進剤(燃料)をほとんど消費することなく、クルクルと姿勢を変えることができる。 従来の宇宙船が向きを変えるたびにスラスターを吹かしていたのを考えれば、これは革命的な技術だ。
戦闘中に燃料切れが死を意味する宇宙空間において、この燃費の良さがどれだけのアドバンテージになるか、分かるよな?
そう、MSの手足は飾りじゃない。 あれは宇宙空間で最も効率的に機体を制御するための、究極のシステムなんだ。 俺たちが観ている戦闘シーンの裏では、常にこのAMBACがフル稼働して、機体のバランスを取り続けている。
この「見えない動き」を想像できるようになれば、あんたも立派なファンの一員だぜ。
理由2:光の剣がぶつかる理屈「Iフィールド」という名の魔法
次に、ビームサーベルの鍔迫り合いの謎に迫ろう。
冷静に考えてみてくれ。 ビームサーベルの刃は、超高温のミノフスキー粒子をIフィールド(メガ粒子を収束させる力場)で剣の形に閉じ込めたものだ。 つまり、実体を持たない「エネルギーの塊」なんだ。 だとしたら、サーベル同士がぶつかったら、お互いスリ抜けるのが自然じゃないか? なのに、劇中ではガキン!と金属同士がぶつかるような音を立てて火花を散らす。
ここに、ガンダム世界の科学の真骨頂がある。 実は、ビームサーベルを形成しているIフィールド同士は、お互いに反発し合う性質を持っているんだ。 だから、サーベル同士が接触すると、それぞれの力場が干渉し合って、まるで実体のある剣のように押し合うことができる。
例えるなら、同じ極(N極とN極とか)を向けた磁石同士が反発して、間に見えない壁があるかのように感じるだろ? あれに近い現象が、ビームサーベルの間で起きていると考えればいい。 だからこそ、あのパイロットの意地と意地がぶつかり合う、魂を揺さぶる鍔迫り合いのシーンが生まれるんだ。
ちなみに、ザクが使うヒート・ホークのような実体剣がビームサーベルを受け止められるのも、同じ理屈で説明できる。 ヒート・ホークは刃を灼熱化させるだけでなく、その周囲に微弱な磁場を発生させている。 この磁場がビームサーベルのIフィールドと干渉することで、斬り結ぶことが可能になる、というわけだ。
ただの光の棒がぶつかっているわけじゃない。 そこには「ミノフスキー物理学」という、俺たちの世界の物理学とは似て非なる、確立された架空の科学理論が存在している。 この設定の深さこそが、俺たちを惹きつけてやまない魅力の源泉なんだ。
理由3:全ての元凶にして最大の功労者「ミノフスキー粒子」。
ここまでAMBACとIフィールドについて語ってきたが、これら全てを成立させている大前提、ガンダムの世界観そのものを決定づけた架空の技術がある。 それが「ミノフスキー粒子」だ。
そもそも、考えてもみてくれ。 科学技術が発達した宇宙世紀において、なぜわざわざ人型の兵器が数kmという至近距離で殴り合う必要がある? 普通に考えれば、遠くからレーダーで敵を探知して、誘導ミサイルでも撃ち込めば済む話だろ。
その「普通の戦争」を不可能にしたのが、このミノフスキー粒子なんだ。
この粒子が戦場に散布されると、電波をめちゃくちゃに妨害する性質がある。 つまり、レーダーは機能不全に陥り、無線通信は途絶え、精密誘導兵器はただの鉄クズと化す。 こうなると、戦争はどうなる?
敵を倒すには、自分の目で直接相手を確認できる距離まで近づき、手動で照準を合わせて攻撃するしかない。 結果として、戦闘は必然的にMS同士が至近距離で切り結ぶ、まるで中世の騎士のような白兵戦が中心となったんだ。
つまり、ミノフスキー粒子というたった一つの架空の設定が、。
遠距離兵器を無効化し、近接戦闘の必要性を生み出した。
その結果、宇宙空間での高機動戦闘に特化した「モビルスーツ」という兵器体系が生まれた。
ビーム兵器の根幹技術(Iフィールド)となり、派手な斬り合いを可能にした。
この粒子がなければ、ガンダムという物語そのものが始まらなかった。 まさに、全ての元凶にして、ガンダムのリアリティを支える最大の功労者と言えるだろう。 荒唐無稽に見える宇宙でのチャンバラは、このミノフスキー粒子という絶対的なルールの下で繰り広げられる、極めてロジカルな戦いなんだ。
どうだ? これで、ガンダムの宇宙戦がただのファンタジーじゃないってこと、少しは分かってくれたか?
作用・反作用をAMBACで制御し、Iフィールドでビームサーベルを打ち合い、ミノフスキー粒子が撒かれた有視界戦闘で雌雄を決する。 一見、無茶苦茶に見えるあの戦闘シーンには、これだけの緻密な裏設定が幾重にも張り巡らされている。
物理学的に無理? いや、違う。 ガンダムは「ガンダム世界の物理法則」の上で、驚くほどリアルに作られているんだ。
こういう裏設定を知った上で、もう一度あの名シーンの数々を見返してみろ。 ザクがショルダータックルをかます一瞬に、グフがヒート・ロッドを振るうその軌道に、どれだけの技術と設定と、そして作り手たちの情熱が詰まっているか…。
きっと、今までとは全く違う感動が、あんたの胸に込み上げてくるはずだ。
さあ、この週末は押し入れの奥で眠ってるDVDボックスを引っ張り出して、『機動戦士ガンダム』の第1話から観返すか。 それとも、ホコリを被ったガンプラを組んで、AMBACの動きを想像しながらポーズを取らせてみるのもいい。
宇宙世紀は、いつだってあんたを待ってるぜ。
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