ガンダムって、キラキラしたヒーローが活躍するスーパーロボットアニメだと思ってないか? 後味の悪いバッドエンドって聞くと、正直見る気なくすよな。 俺も最初はそうだった。 でも、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』っていう作品は、その常識を根底から覆してくるヤバい代物なんだ。
ぶっちゃけ、この話は超難解で、救いようのないバッドエンド。 なのに、なぜか心を鷲掴みにされて、何度も見返したくなる。 それどころか、2021年の劇場公開では興行収入22億円を超える大ヒットを記録した。 なんでこんなことが起きたのか。
実はこの作品、ガンダム史における「2つの暗黒期」に生まれるべくして生まれた、奇跡のような作品なんだよな。 今日は、なぜこの陰鬱な物語が、時代を超えて俺たちの心を動かすのか、その誕生から今に至るまでの歴史を紐解きながら、その秘密に迫っていこうと思う。
この記事を読めば、君もきっと『ハサウェイ』の沼にハマるはずだ。
◆そもそも『閃光のハサウェイ』って何者なんだ
この作品が当時から話題になったのは、クスィーガンダムやペーネロペといった異形のモビルスーツのデザインもさることながら、その徹底的にリアルな世界観と、どこまでも深く掘り下げられる精神描写、そして何より「映像化は絶対に不可能」とまで言われた、あまりにも後味の悪い衝撃的なラストにある。
この結末は、良い意味でも悪い意味でも、30年以上経った今でも語り継がれる伝説になってるんだ。
◆なぜこんなに分かりにくい?リアリティを追求しすぎた富野節の洗礼
「ハサウェイって難しくない?」ってよく言われるんだが、その通り、めちゃくちゃ難しい。俺も最初に小説を読んだときは、複雑な人間関係と専門用語のオンパレードで、正直3回くらい挫折しかけた。
なんでこんなに難解なのかっていうと、理由はシンプルで、富野監督がリアリティを極限まで追求したからなんだよな。
アニメっていう子供向けの縛りから解放された富野監督は、容赦がない。 例えば、ハサウェイ、ギギ、ケネスの三人の関係。 理想に燃えるけどどこか地に足がついていないテロリストのハサウェイ。 若くて奔放な美女に見えて、実は誰よりも現実を見ているギギ。
そして、組織人としての現実と個人のロマンの間で揺れる大人、ケネス。 彼らはそれぞれが「テロリスト」「一般人」「地球連邦」という立場を象徴していて、その関係性がめちゃくちゃ複雑に絡み合う。
さらにSF小説特有の読みにくさも加わる。 専門用語が説明なしにバンバン出てくるし、登場人物の心情描写も、普通の小説なら書かないような性的な部分までえぐってくる。 ぶっちゃけ、ストーリーの進行だけを考えたら無駄な描写も多い。
でも、その無駄があるからこそ、キャラクターたちが記号じゃなくて、生身の人間としてそこに「存在する」感覚が生まれるんだ。 このリアルな手触りこそが、『ハサウェイ』の魅力の核なんだよな。 この読みにくさを乗り越えた先に、宇宙世紀に生きる人々の息遣いを肌で感じるような、とんでもない読書体験が待っているんだ。
◆鬱展開は必然だった?ガンダムを終わらせるための物語
じゃあ、なんでこんなにも救いのないバッドエンドになったのか。 それは、富野監督にとって、この物語こそが「ガンダムの本当の終焉」を描くために必要だったからだ。
思い出してみてくれ。 『逆襲のシャア』のラスト、アムロとシャアはアクシズと共に光の彼方へ消えた。 あれでガンダムは終わったはずだった。 監督自身も派手に爆破して終わらせた気でいた。 なのに、世間はそれを許さなかった。
すぐ翌年の1989年にはOVA『ポケットの中の戦争』が発売される。 最終回をやったと思ったら、その舌の根も乾かないうちに新作が作られる。 富野監督からすれば「終わらせ損ねた」ってわけだ。
派手な奇跡(サイコフレームの光)で物語を締めくくっても、宇宙世紀という現実は終わらなかった。 ならば、夢も希望もない、地獄のような現実を叩きつけるしかない。 その「地獄のような現実」こそが、『閃光のハサウェイ』なんだ。
この物語では、アムロやカミーユのような奇跡を起こすニュータイプは登場しない。 ハサウェイもニュータイプではあるけれど、彼は何も変えられない。 シャアの真似事をして、テロリズムに身を染め、巨大な現実(地球連邦)という組織の前に、為すすべもなく押し潰されていく。
大学生のサークルみたいな武装集団が、プロの軍隊に勝てるわけがない。 当たり前の話だよな。
これは、理想や幻想が「今日」という現実に敗北することを意味している。 キラ星のような英雄たちが全員死んだ後の、夢から覚めた後の物語。 だからこそ、ハサウェイは敗北しなければならなかったんだ。
◆ゲームが救った!?不遇の時代と一筋の光明
小説が出た後、『ハサウェイ』は長らく不遇の時代を過ごすことになる。 なにせ、あの結末だ。 簡単に映像化なんてできるわけがない。 一部の熱狂的なガンダムオタク(ガノタ)だけが知る、伝説の作品って感じだった。
そんな『ハサウェイ』に転機が訪れたのは、なんとゲームの世界だった。 小説発売から10年以上経った2000年発売の『SDガンダム GGENERATION-F』。 こいつが、とんでもなく出来が良かったんだ。
複雑怪奇な小説3巻分の内容を、たった3ステージに凝縮。 声優陣も豪華で、ハサウェイ(マフティー)役は『逆シャア』と同じ佐々木のぞむさん、ギギは林原めぐみさん、ケネスは立木文彦さんと、とんでもないメンツが揃っていた。
ゲームならではの分かりやすい演出と3Dムービーで、多くの新規ファンに『ハサウェイ』の物語を届けたんだ。 俺もGジェネで初めて動くクスィーガンダムを見た時の衝撃は忘れられない。 「うお、カッケェ!」って声出たもんな。
その後も、2005年にフィギュア化されたり、2012年には『機動戦士ガンダム EXTREME VS.』シリーズに参戦したりと、少しずつ、でも着実にその知名度を上げていった。 小説発売から20年以上、派手に無視され続けたこの作品が、ついに日の目を見る時が近づいていたんだ。
◆2021年、ついに劇場へ!二度目の暗黒期が生んだ奇跡
そして2021年、ついに『閃光のハサウェイ』は劇場版として公開される。 だが、その道のりは決して平坦ではなかった。
時代は、もう一つの暗黒期の真っ只中。 そう、世界中を襲った疫病だ。 制作陣は、フィリピンのダバオなどで実際にロケハンを敢行し、現実の風景を宇宙世紀の舞台へと緻密に落とし込むという、とてつもないこだわりで制作を進めていた。
しかし、そのこだわりが仇となり、制作は難航。 公開延期が重なり、ファンからは「本当に完成するのか?」と不安の声も上がった。
だが、あらゆる困難を乗り越えて公開された劇場版は、俺たちの想像を遥かに超える怪物だった。
まず、映像と音響がヤバい。 あれはもはやアニメじゃない。 洋画、それも超大作のアクション映画を見ている感覚だった。 それもそのはず、本作は音響を最初からドルビーアトモスで制作し、作画も従来の手描き(2D)中心から3Dをメインに切り替えるという、ガンダムシリーズにとって革命的な挑戦をしていたんだ。
重力下を自由に飛び回るミノフスキー・フライト・システムの浮遊感、モビルスーツの重量感、ビームや爆発音の衝撃。 その全てが、今までのガンダムとは別次元のクオリティだった。
この作品が公開された2021年という時代も、奇妙に物語とシンクロしていた。 政府への不信感、SNSで飛び交う真偽不明の情報、人々の間で生まれる対立。 ハサウェイという、超人ではない、心を壊した一人の若者の行動に、やり場のない鬱憤の代弁者として感情移入した人もいれば、彼のやり方を否定的に見た人もいただろう。
誰もが混沌とした現実の中で、この物語を自分ごととして捉えた。 だからこそ、多くの人の心を動かし、大ヒットに繋がったんだと思う。
◆劇場版は救われるのか?ハサウェイに用意される結末を大予想
さて、一番気になるのは今後の展開だよな。 原作のあの衝撃的な結末を、劇場版三部作でどう描くのか。
富野監督は、映画版について「新たな解釈をもってガンダムの総体の決着への道を開くもの」と語っている。 「決着をつける」んじゃなくて、「道を開く」だ。 これは、もはや原作通りのバッドエンドで終わらせるつもりはない、というメッセージだと俺は解釈している。
それに、映画版のハサウェイは、原作とは決定的に違う点がある。 それは、愛した少女クェス・パラヤを、自らの手で殺めてはいないということだ。 映画版の彼は、クェスに「生きて」と望まれた人間なんだ。 深く傷つき、苦しんでいる彼に、さらなる絶望を与える結末を、今の時代に作るだろうか?
俺は、劇場版『閃光のハサウェイ』は、ハサウェイ・ノアを救うための物語になるんじゃないかと予想している。 そして、その鍵を握るのが、大人であるケネス・スレッグ大佐だ。
地に足をつけて現実を知り尽くした大人であるケネスだけが、死者の亡霊に囚われ、空虚な理想論に身を投じるハサウェイに「生きろ」と言ってやれる存在なんだ。 原作とはデザインが変更され、より人間的な深みが増したケネスが、ハサウェイをどう導くのか。
もちろん、単純に生き残ってハッピーエンド、なんて安直なことにはならないだろう。 だが、彼の死に何らかの「救い」が用意される可能性は十分にある。 続編となる『キルケーの魔女(仮題)』で、アムロから続くガンダ-ム主人公の系譜を受け継ぐ男、ハサウェイ・ノアにどんな結末が与えられるのか。
今から楽しみで仕方ないぜ。
『閃光のハサウェイ』は、単なる鬱アニメなんかじゃない。 それは、ガンダムという巨大な物語に一区切りをつけるために生まれた「現実」の物語であり、同時に、二つの暗黒期という「現実」を乗り越えて俺たちの元に届けられた奇跡の作品だ。
派手なヒーローも、分かりやすい勧善懲悪もない。 そこにあるのは、どこまでもリアルな人間の苦悩と、泥臭い戦い、そしてその先にかすかに見える一筋の光だ。
もし君がまだこの作品に触れていないなら、今すぐ見てほしい。 そして、すでに見たという君も、もう一度見返してみてくれ。 きっと、この複雑で、陰鬱で、しかしどうしようもなく魅力的な物語の虜になるはずだから。
さあ、一緒にこの深い沼にハマろうぜ。
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