「Gセイバー」って知ってるか?
宇宙世紀の最も未来を描いた、いわばガンダムの最終章とも言える作品だ。 なのに、いつの間にか「黒歴史」なんていう、ありがたくない称号を与えられてる。
なんでかって?考えてもみてくれよ。 Gセイバーだけ、スパロボみたいな人気ゲームに全然出てこない。 20周年っていう記念すべき年ですら、公式イベントなんて影も形もなかったんだぜ?まるで、最初から存在しなかったかのように扱われてる。
公式が発表する宇宙世紀の年表からも、なぜかGセイバーだけがごっそり抜け落ちてるんだ。 これは一体どういうことなんだ?
宇宙世紀最後の主人公が、とんでもない浮気野郎だったから?
予算がなさすぎて、肝心の戦闘シーンがしょぼかったから?
それとも、宇宙世紀の「終わり」をあまりにもリアルに描きすぎて、これ以上未来を描けなくしてしまったから?
俺も最初は「なんかよくわからん作品だな」くらいにしか思ってなかった。 でも、調べていくうちに、その裏にある深くてヤバい事情を知ってしまったんだ。
今日は、ほとんどのガンダムファンが知らない、この禁断の作品「Gセイバー」の魅力と、なぜ黒歴史と呼ばれざるを得なかったのか、その真相にメスを入れていこうと思う。 この記事を読めば、君がGセイバーを見る目も180度変わるはずだ。
公式から存在を消された?衝撃の年表事件。
まず、Gセイバーが「黒歴史」なのかどうか、決定的な証拠から見ていこう。
ここに、サンライズ公式が『閃光のハサウェイ』公開時に出した宇宙世紀の年表がある。 一年戦争から始まって、Z、逆襲のシャア、ユニコーン、そしてVガンダムまで、主要な映像作品がズラリと並んでる。 壮観だよな。
…ん?あれ?
Vガンダムの宇宙世紀153年で、歴史がブツッと途切れてる。 Gセイバーの舞台である宇宙世紀223年が、どこにも見当たらないんだ。 コミック作品が省かれるのはわかる。 でも、Gセイバーはれっきとした映像作品だぜ?なんでないんだ?
「まあ、たまたまじゃないの?」って思うだろ?
じゃあ、こっちはどうだ。 ガンダムベース東京に展示されてる公式の作品年表だ。 初代からSDガンダムまで、どんなマイナーな作品も網羅してる、まさにガンダムの歴史そのものだ。
…やっぱり、ない。 Gセイバーだけが、どこにもいない。
ここまでくると、もう偶然じゃない。 明らかに、意図的に「触れられていない」んだ。 この異常事態こそが、Gセイバーが黒歴史と呼ばれる最大の理由の一つと言えるだろう。
そもそもGセイバーってどんな話?地味だけどリアルな終末世界
「黒歴史」の烙印を押されたGセイバーだけど、じゃあ一体どんな物語なんだ?
物語の舞台は、宇宙世紀223年。
一年戦争から140年以上が経過した世界だ。 もうアースノイドとスペースノイドがどうとか、思想を巡って争うような時代は終わってる。 代わりに始まっているのは、各サイド都市間での権力争いだ。
「なんか地味だな」って思ったか?そう、地味なんだ。でも、それには深刻な理由がある。
かつて、金髪のイケメンが隕石を落とそうとしたり、ガチの人が地球を平らにしようとしたりしたせいで、地球の環境はマジでボロボロ。 地上ではまともに食料が作れないレベルまで追い込まれてるんだ。
つまり、人類は「生き残る」ことで精一杯。 「自治権がどう」とか「独立運動だ」とか言ってる場合じゃないんだよな。 このリアルすぎる週末感、作品が公開された1999年の「世紀末」の空気が反映されてるのかもしれないが、SF考証がめちゃくちゃ細かくて、設定だけ見ればかなりの名作だと感じさせられる。
そんな終わってる世界の主人公が、マーク・カラン。 元軍人のナイスガイで、パイロットの腕は超一流だ。 だが、彼にはこの物語を破滅に導く、とんでもない欠点があった。
そう、女癖が悪いんだ。
問題点① 主人公がまさかの浮気野郎で感情移入できない問題
ガンダムの主人公といえば、何を思い浮かべる?
世界を守るため、愛する人を守るために、悩み、傷つきながらも戦う姿だよな。
だが、このGセイバーの主人公マークは、ちょっと違う。 彼にはミミという、超絶美人のフィアンセがいる。 いるんだが…なんと、物語の途中で出会った科学者のシンシアと、あっさり浮気しちまうんだ。 このバカ野郎!
しかも最悪なのが、その浮気現場をフィアンセのミミに目撃されること。 ブチ切れたミミは、その怒りのあまり、世界を統べる「セツルメント議会」と、マークが属するサイド「ガイア」との戦争を引き起こしてしまう。 主人公の浮気が、ガチで世界大戦の引き金になるんだぜ?こんなガンダム、見たことあるか?
ちなみに、このサイド「ガイア」の格好が、旧ドイツ軍、つまりジオンっぽくて、敵対するセツルメント議会が旧地球連邦軍みたいな立ち位置なんだ。 100年以上経っても、結局同じような構図で争ってるっていうのは、ガンダムファンとして「最高にガンダムしてるぜ!」ってテンションが上がるポイントではあるんだが…。
問題は、主人公の行動原理だ。
この後、マークは浮気相手のシンシアを守るために戦う決意をする。 でも、出撃前には元サヤのミミとハグしたりして、心理描写がブレブレ。 結局、誰のために、何のために戦ってるのかがフワフワしていて、視聴者として感情移入するのがめちゃくちゃ難しいんだ。
『閃光のハサウェイ』みたいに、主人公の心の迷いが緻密に描かれていれば、それはそれで富野ガンダムっぽい深みになったかもしれない。 でも、それもない。 ただただ、軽率な行動で事態を悪化させる主人公、という印象だけが残っちまう。
これじゃあ、応援したくてもできないよな。
問題点② 人間ドラマと戦闘シーンが絶望的に噛み合ってない
ガンダムファンが本当に見たいものって何だろうか?
もちろん、カッコいいモビルスーツの戦闘シーン。 それから、すれ違う男女の禁断の恋。 そして、重厚な歴史やSF考証。 Gセイバーには、それらの要素が一応は揃っている。
だが、致命的に欠けているものがあった。 それは「人間ドラマと戦闘の結びつき」だ。
例えば、『Zガンダム』。 主人公のカミーユは、大人に殴られて理不尽を学び、その怒りや悲しみを力に変えて戦うことで成長を見せた。 アムロだって、脱走してランバ・ラルとの出会いを経て大人になり、だからこそその後の戦いに深みが生まれたんだ。
このように、ガンダムにおけるドラマと戦闘は、切っても切れない関係にある。 人間の心の変化や成長が、戦闘という形で表現されるからこそ、俺たちはカタルシスを得られるんだ。
しかし、Gセイバーは会話や政治的な駆け引きのシーンがやたらと長い。 そして、いざ戦闘が始まっても、それが直前のドラマとあまりリンクしていない。 主人公の浮気騒動が戦争のキッカケにはなったけど、その後の戦闘で彼の内面的な成長が描かれるわけでもない。
ドラマはドラマ、戦闘は戦闘で、完全に分離しちゃってるんだ。
これでは、いくら終盤のCGのクオリティが高くても、物語としての満足度は得られにくい。 ガンダムファンが求める「これが見たかったんだよ!」という熱い展開に至らないまま、物語は進んでいく。 これが、多くのファンに「ガンダムっぽくない」と感じさせてしまった大きな原因だろう。
問題点③ 低予算の涙…まさかのアレを使い回し!?
この作品が黒歴史と呼ばれる、もっと生々しい理由がある。 それは、ぶっちゃけ「低予算」で作られてしまったことだ。
いや、誤解しないでほしい。 終盤の戦闘シーンのCGクオリティは、マジでハンパない。 1999年といえば、映画『マトリックス』が公開された年だ。 CGにお金をかけないと、すぐチープさがバレる時代。 そんな中で、Gセイバーのモビルスーツは、装甲の質感や光の反射、動きの滑らかさ、どれをとっても超一級品。
ここに予算を全振りしたんだなってことが、嫌でも伝わってくる。
だが、そのせいで他の部分が犠牲になってしまった。
一番ヤバいのが、小道具や衣装の「使い回し」だ。
Gセイバーは、サンライズと海外のポルスター・エンターテインメントっていう会社が共同で制作した。 このポルスター社、当時『スターシップ・トゥルーパーズ』っていう別のSF映画も作ってたんだが…なんと、Gセイバーには、その『スターシップ・トゥルーパーズ』で使われた衣装や小道具が、まんま流用されてるんだ。
理由は、もちろん予算削減。
ガンダムファンってのは、目が肥えてる。 作品を何度も見返して、背景に映る文字一つ、一瞬の戦闘シーンでのパイロットの目線まで楽しむような精鋭揃いだ。 そんなファンからすれば、こういう「大人の事情」によるディテールの甘さは、どうしても物足りなさを感じてしまう。
低予算だから仕方ない、では済まされないんだよな。
問題点④ 富野監督の『ガイア・ギア』と設定がバッティング
さらに、Gセイバーを「黒歴史」と呼ばざるを得ない、根深い問題がある。
それは、ガンダムの生みの親である富野由悠季監督が手掛けた小説『ガイア・ギア』の存在だ。
『ガイア・ギア』の舞台は宇宙世紀203年。 Gセイバーのわずか20年前を描いた、いわば「正当な続編」とも言える作品だ。 しかし、この二つの作品、設定がことごとく食い違ってるんだ。
食糧問題: Gセイバーでは人類存亡の危機レベルの大問題だが、『ガイア・ギア』ではそこまで深刻な問題としては描かれていない。 たった20年で、急に世界が飢え始めるなんてことはあり得ないよな。
兵器の呼称: 『ガイア・ギア』の時代では、すでに「モビルスーツ」という概念は薄れ、「マン・マシーン」という人型兵器に取って代わられている。 だが、その20年後のはずのGセイバーでは、なぜか「モビルスーツ」という呼び名が復活しているんだ。
こんな風に、富野監督が描いた未来と、Gセイバーが描いた未来は、微妙に、しかし決定的に異なっている。
Gセイバーを「正史」として認めてしまうと、それは間接的に富野監督が描いた未来を否定することになりかねない。 だからこそ、多くのファンはGセイバーを「ifの物語」、つまり「黒歴史」として扱うことで、心の平穏を保っているのかもしれない。
問題点⑤ 宇宙世紀の「終わり」を描いてしまった
これは、Gセイバーという作品が持つ、構造的な欠陥かもしれない。
Gセイバーは、宇宙世紀223年という、これまでで最も未来の時代を描いた。 そして、食糧危機という、人類の「終わり」を予感させるテーマを扱った。
つまり、この作品を正史としてしまうと、宇宙世紀という壮大な物語が、ここで「行き止まり」になってしまうんだ。
ガンダムファンは、これからも続く宇宙世紀の歴史に思いを馳せ、さらなる物語の広がりを楽しみたいと思っている。 そんなファンにとって、明確な「終点」が示されてしまうのは、少し寂しいことなのかもしれない。 だからこそ、「Gセイバーはあくまで一つの可能性。
宇宙世紀の未来は、まだ決まっていない」という思いを込めて、この作品をあえて「黒歴史」と呼んでいる側面もあるんじゃないだろうか。
問題点⑥ 決定打?複雑すぎる「大人の事情」と権利問題
そして最後に、これが最も根深く、解決が難しい問題だ。 そう、「権利問題」だ。
明確に公式が発表しているわけじゃない。 でも、断片的な情報をつなぎ合わせると、Gセイバーがなぜこれほどまでに不遇な扱いを受けているのか、その理由が見えてくる。
前述の通り、Gセイバーはサンライズ単独の作品じゃない。 海外のポルスター社との共同制作だ。 これが何を意味するかというと、作品の権利をサンライズだけでコントロールできない、ということだ。
普通のガンダム作品なら、サンライズの一存でゲームに出したり、ネットで配信したりできる。 でも、Gセイバーは海外の会社も関わっているため、権利関係が非常に複雑になっていると考えられる。 だから、公式のネット配信も難しく、ゲームへの登場も極端に限られてしまうんだ。
最近の『ガンダム 復讐のレクイエム』が「ガンダムシリーズ初の外国人監督が制作!」ってPRされてたけど、「あれ?Gセイバーの監督も外国人じゃなかったっけ?」って思ったやつ、鋭いな。 そうなんだ。 でも、あれは「サンライズが完全に権利を保有する作品としては初」と解釈すれば、ギリギリ嘘にはならない。
ハリウッド版実写ガンダムが「初の実写映画!」って言われてるのも同じ理屈だ。 Gセイバーは厳密にはテレビドラマとして作られた「テレビ映画」であって、「劇場映画」ではない。
つまり、公式はGセイバーを「なかったこと」にしているわけじゃない。 ただ、権利上、非常に「触れにくい」作品になってしまっているんだ。 だから、他の作品をPRする際に、うまいことGセイバーをスルーできるような、絶妙な言葉選びをしている。
この「大人の事情」こそが、Gセイバーを公式の表舞台から遠ざけている最大の元凶と言えるだろう。
ここまで、Gセイバーが黒歴史と呼ばれる理由を、これでもかと挙げてきた。
じゃあ、Gセイバーは本当に観る価値もない、ダメな作品なのか?
俺は、そうは思わない。
主人公の行動には首を傾げるし、ドラマと戦闘の乖離も確かにある。 でも、低予算という厳しい制約の中で、終盤の戦闘シーンに全てを注ぎ込んだスタッフの熱意は本物だ。 リアルな週末世界を描いたSF考証には、見るべきものがたくさんある。
そもそも、公式はGセイバーを「無視」しているわけじゃない。 サンライズの制作作品リストにはちゃんと載っているし、ガンプラも再販されている。 公式の年表に載らないのも、権利の問題で掲載できないという事情が大きいんだろう。
つまり、公式が「黒歴史」と認定しているわけじゃないんだ。
ファンが、その不遇な境遇や、他の作品とは一線を画す異色な内容を、愛を持って「黒歴史」とイジっている。 それが真相なんじゃないかと俺は思う。
こういう異端な作品があるからこそ、ガンダムという世界の懐は深く、面白いんだ。 王道のガンダムもいいけど、たまにはこういう変化球を味わってみるのも一興だぜ。
幸い、DVDはまだ手に入る。 君も、この禁断の果実を、自分の目で味わってみてはどうだろうか。 そして、君がGセイバーを「アリ」と思うか「ナシ」と思うか、ぜひコメントで教えてくれよな!
それでは、また次の記事で会おう。
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